Red_dotMANのブログ

映画の記録(ホラーが多めです)が中心のブログです。

『ポルターガイスト』(1982)

「名ホラー作家の二人が作るお化け屋敷型オカルトホラーの傑作」

 

 

 ある新興住宅地に引っ越してきた5人家族。ある晩、末っ子のアンが砂嵐画面のテレビに向かって喋りかけていた。その日から椅子が独りでに動き出すといった怪奇現象が多発する。そしてある日、多くの怪奇現象の中、アンがクローゼットに引き込まれてしまい、姿を消してしまう。夫婦は霊媒師を呼び、娘を助けてもらうよう懇願すると、そんな簡単にはいかないと言う。と言うのも実はこの家は墓地の上に建てられ、てめえらが幽霊起こしたせいでめっちゃキレてるとのこと。その言葉通り次から次へと数珠つなぎで幽霊達が押し寄せてきてもうたいヘーーーん!!!!!

 

 

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 監督は『悪魔のいけにえ』で一躍注目されたトビー・フーパー。製作、脚本には同じくホラー畑出身のスティーブン・スピルバーグと超豪華な製作陣がお送りするのは『パラノーマル・アクティビティ』も顔負けのオカルトドタバタホラー映画である。


パラノーマル・アクティビティ』(2007) 予告編

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 トビー・フーパーと聞くと残虐極まりない描写と画面全体の荒さが彼の一つの特徴であるが、今作は緩急ある展開に巧さ際立つ視覚効果とどちらかといえば娯楽性の高く、スピルバーク作品っぽさがある。

なのでトビー・フーパー映画を観ようとすると何か物足りない感を抱かずにはいられないが、まあスピルバーグの用意したグロテスクなシーンもそりゃそりゃすごいのでお楽しみに。

 

 今作のミソは、クライマックスに嵐のごとく襲いかかるSFX演出である。(『スター・ウォーズ』の存在が大きい)

もはやポルターガイストじゃねえだろ!と思わず突っ込みたくなるようなスピルバーグらしいド派手なラストに誰もがウットリ。途中みんな大好きルチオ・フルチっぽい演出なんかもあり、懐かしい!と感じる人もいるはず。

 

 なんかもう人間の力じゃどうにもならないって言うぐらい素晴らしい幽霊さん方の暴れっぷりにただただ見惚れ、あるシーンに至っては”今まであるどの映画でもこれを超えるほどのCG演出は存在しない”とも言われているぐらいだ。

 

 最近の映画評価の傾向は”CGを使わずに実際に現場で撮影した”ことに対して評価されることがある。それもわからなくはないが、とりあえず観てないやつは今すぐ観てほしい!こんなの実写ではほぼ不可能に近いから!

 今作は、当時ファミリー映画として楽しまれ、結果は大ヒット。当然続編の話もあり、サム・ライミが製作したリブート含め、全部で三作続いている。

 これは有名な話だが、今作の長女役のドミニク・ダンを初め、登場人物の多くが不可解な死を遂げている。一説では本物の頭蓋骨を使用したと言われており、”呪われた映画”だと噂された。

  いやいやいや、本物の骨使うなて!

 

 我々日本人はやはりブラウン管テレビと聞くとフッと自然に思いつくのは「貞子」だろうけど、これを観るとテレビの砂嵐から何処と無くうめき声が聞こえてくるような気がしてならない。

 ついでに同年公開の『ビデオドローム』にもブラウン管テレビに対して恐怖心を抱かざる得ない仕掛けがある。

 

ビデオドローム』(1982) トレーラー

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 『エクソシスト』がつけた70年代のオカルトブームに、『スターウォーズ』でSFX技術を培った若者と、当時の誘拐事件多発していた社会が感じていた恐怖が合わさった、恐怖をより知っている者達によるSFホラー作品である。